日本語異表記データベース

日本語異表記データベース（JOD: Japanese Orthographic Database）は日本語異表記を幅広く網羅した包括的なデータベースです。

日本語表記法の複雑さは、計算言語学、特に情報検索の分野で大きな課題となっています。この問題は、表記の揺れが著しい日本語に標準的な表記を網羅したデータベースがないことでより難しくなっています。例えば、[neko] (cat) には、猫、ねこ、ネコ；[kakiarawasu]（write out, publish）には、書き著す、書著す、書き著わす、書著わす等、多くの表記が存在します。JODは同一語または関連語の表記揺れを識別することで、曖昧さを回避し、情報検索、機械翻訳、形態素解析アプリケーションの精度を向上させることができます。

JODは収録項目数が12.6万で、Yahoo、Amazon、Baidu等のポータルサイトの検索エンジンに用いられ、検索の再現率を劇的に向上させています。外来語については、多種多様なカタカナ異表記も収録範囲とします。詳しくは論文「知的日本語検索の諸課題」をご参照ください。